



2006年11月15日(水曜日)~22日(水曜日)
今回のタイの旅は、東京オリンピックの2年前から始められた、スリンの第46回象祭りを見る旅である。
このイベントを見るためにわざわざ出掛けたと言っても寡言ではない。
日本にはまだ余り知らされておらず、2年前ある民放テレビで紹介された。 “象祭り”の映像を見て、昨年5月に来日したタイのサンパン氏(友人・以後敬称略)に是非とも連れて行って欲しいと、案内をお願いした。
タイの友人もスリンの象祭りのことを知らなかった。
私が話す[象祭り]にうなずき、すぐに調べるからと約束し帰国した。
今年の8月になってタイのサンパンから国際電話が入り
「10月28日(土)と29日(日)に象祭りが開催される」と知らせてきた。
其処で早速、私が何時も利用している[Tabi SAISON]へE-mailをして10月26日(木)出発の格安チケットを予約した。
私の家のお向かいの弘田さんが
「私も行きたい」と言うので、
「象祭りはまだ余り知らされていないから、私の友人の車で連れて行って貰う冒険旅行となりますが、民家に泊まったり、一般のタイ人が泊まるホテルでも耐えられますか?」と、旅がかなり厳しいものになることを説明した。
弘田さんはさる会社の会長さんで、今でもゴルフなどをやられるから足腰については心配ないものの、何時も優雅な旅をなさっておられるので、大丈夫かなあ? と懸念しつつチケットは二人分買っておいた。
出発便の到着時間と、滞在予定をサンパンにE-mailし、弘田さんとも打ち合わせをした。
弘田さんは旅慣れているから、行き先や日程が決まればすかさずガイドブックや友人などから情報を集め、近くの旅行代理店に行き資料集めを開始した。
弘田さんはお向かいに住んでいるから、何かが有ればすぐに情報をもたらしてくれる。
「IHSで調べさせたんだけど、今年の象祭りは11月の18日(土曜日)と、19日(日曜日)だって、良く確認した方が良いんじゃない?」と、ガイドブックと地図を拡げて、
「“スリン”はタイの中腹なんだね」と私なんかサンパン任せで何も調べていないから、一寸焦ってしまった。恥ずかしい思いをした。
「そうだとしたら予定を変更しなくちゃならないよね。タイ旅行がメインなら28日出発でも構わないけど、象祭りを見に行こうとして計画したのだから、すぐに確認を取ります」と答えた。
9月1日真夜中の午前1時(時差が2時間・タイでは午後11時)サンパンから電話が掛かってきた。
「すみませーん、象祭りは11月18日・19日でした。どうしますか?」
「分かりました。出発日を変更します。詳しいことはE-mailしますから宜しくお願いします。それとね、この前も話しておいたお向かいの御主人の弘田さんが連れて行ってと言うのですが構わないですか?」
「構いません。奥さんも連れてきて下さい」
その他細かいことも打ち合わせをして電話を切った。
弘田さんの情報が正しかったので格好悪かったが、兎も角チケットの変更手続きをした。
E-mailで購入する“e-Ticket”は自分で探す格安券で、支払いもクレジットカードと大変便利なものだが、良く気を付けないと、変更も利かない、取り消しも駄目、その上翌日からキャンセル料を取られるのもあって、今回購入したチケットがそれに該当していたのである。
善いところは座席の希望がその場で申し込めることだ。(私は前立腺癌を手術しているのでトイレが近い。トイレの近くの通路際をリクエストしたら往復とも希望の席が取れた。)
11月28日出発便は成田・バンコク往復が94,000円と高かった。が、象祭りに合わせて11月15日出発便に変更したら60,300円と4割近く安くなった。
キャンセル料23,150円を取られ、海外諸税・石油サーチャージ追加料2,600円を払っても、5,250円安くなった。
弘田さんが友人から“タイ出入国カード”を調達してくれて、
「日本の旅行代理店では何処も“象祭りツアー”は売り出していないそうだ。象祭りの前日からスリンのホテルは満杯で、いきなり行っても泊まるところが無いそうだよ。何処に泊まるつもりなのかな?」
痒いところに手の届くような、細かいことまでよく調べてくれるので、私もインターネットで情報を得、サンパンに詳細情報を送っておいた。
11月15日(水曜日)・出発
いよいよ出発である。18時35分のフライトに合わせ、14時丁度に弘田さんの車で家を出た。
空港では荷物のチェックが厳しく、飲み水や化粧水など水分は一切持ち込めない。スーツケースを開けさせられ、ことごとく中の品々を調べられたあげく、機内持ち込み手荷物の中身(特に感光防止用のアルミ製袋に入っているフィルムの一本一本からスイス製のアーミーナイフまで)を細々と調べられる等、いい加減にしてくれと腹が立った。
e-ticketは予約は便利でも慣れない自動発券機にて自分でチケットを引き出さなくてはならないからこれ又厄介である。
どういう訳か1時間前から機内に乗り込むように促され、ゆっくりビールを飲む間もないのがしゃくの種だった。
機内には水分一切の持ち込みを禁止しておきながら、ハイジャック防止にかこつけてアルコール類は有料(缶ビール350ml、ミニボトルウイスキー、ミニボトルワインが500円or 5$)となっていた。
それなのに機内の免税ショップではウイスキーやら香水を販売しているのだから矛盾している。
もし私がテロの犯人なら、機内で水分を買って固形物と混ぜた強力爆発物を造るだろうにとぶつぶつ不平を言いながら、サンパンへの土産にオールド・パー2本を買った。
23時50分予定通りバンコク・スワンナプーム国際空港に到着した。
東洋一と豪語する新空港は成る程大きかった。
空港の出口は左右に分かれた2ヶ所あって、サンパンを探すのに手間取ったものの1年半ぶりの再会の挨拶をし、双方の紹介を済ませ車に乗り込んだ。
空港での車事情をクリヤーする為に、お坊さんの修行中だというバンコク・サンパン宅の留守番を任せてある30歳になる若者 ワオーさんが、真夜中だというのに運転を引き受けてくれていた。
車は日本製の“ホンダ(座席が四人分あるピックアップ・トラック・日本には無い形式)”である。
新空港は以前の空港よりサンパンの家に35分近くなったそうで、20分で着いてしまった。
再会を祝しての真夜中の酒盛りとなったのは良いのだが、クーラーに扇風機を回してもなお暑いので、すててこにランニングシャツになったのがいけなかった。瞬く間に蚊の餌食になってしまった。
滞在中の食事やホテル代、車のガソリン代等にと、取り敢えず3,500THB(タイバーツ・10,500円)をサンパンに渡しておいた。