第5日目・9月27日(月曜日)
カルガリーへの移動日で、8時15分のフライト、1時間半前までにモントリオール空港に着くように、各人に紙の箱に入った弁当を渡されて出発した。
このツアーはアメリカのノースウエスト機を利用しての旅だから、同じカナダ内を移動するのにも、一旦アメリカのミネアポリスを中継してからカルガリーへ入るのである。
一旦アメリカにはいるとなると、荷物の検査はかなり厳しいチェックを覚悟しなくてはならない。スーツケースの鍵は掛けてはいけない。
ミネアポリスまでとそこからカルガリーまでの2枚の航空券を手に持って、各人で荷物をころがして通関手続きを受け、例によってスーツケースは自分でX線検査機に乗せるのである。
出国審査へと進んでゆくのだが、[NW-1791便]の座席が決まっていないチケットなので、係官が通してくれない。添乗員の松井さんはあっちへ走ったりこっちへ駆けて来たりで係官に説明し、ようやく出国をすることができた次第である。
若干の時間があったから、我々は広い空港内のパブBARに入って、ビールやコ-ヒーなんかを飲んでいたが、添乗員はそうは行かない。
出発ゲート前のカウンターで、座席の決まっていないツアー客の席を決めるのに大奮闘をしている。(席はあるが、団体でも、夫婦で参加していてもバラバラなのでそれを調整しているのである)
私達夫婦が受け取った座席はラッキーなことにビジネスクラスだった。
約2時間フライトの国内線扱いだから、エコノミークラスだとクッキーと飲み物のサービスがあるだけの所、ビジネスクラスでは[バナナ・コンフレーク牛乳・菓子パン]の軽食、その他にもコーヒーのサービスがあった。(よく考えてみればアルコールサービスもあったのに、こういった高級な席に座るのはごく稀なことなので、リクエストしないで残念なことをした)
座席はゆったりしているし、トイレも直ぐ傍だし、短時間ながら実に快適な空の旅となった。
ミネアポリス空港でのトランジェット時間は約2時間だが、ちょっとした買い物をするにも此処はアメリカだからカナダドルは使えない。
順調に乗り継いで、カリガリー空港からはバスで120km(約1時間30分)、まだ明るい午後3時30分には[カナディアンロッキー]のホテルに到着した。
(時差は3時間遅らせた、東京からサマータイムで-16時間である)
ホテルはカナディアンロッキーの[バンフ国立公園]内にあり、バンフから南東30kmの[カナナスキス・カントリー(環境を損なわないよう綿密かつ計画的に開発された通年型のリゾート地)]にある大自然の真っ直中の[フォー・ポイント・シェラトン]である。


目の前に[スリー・シスターズ山]が聳え、周りは360度・山・山・山に囲まれている。
申し込んでおいた夜のオプショナルツアー[憧れのバンフ・スプリングス・ホテルでの夕食とマウントノーケイからの眺望]出発まで時間があるので、頂上付近1/3が残照に赤く照らされた[カナディアンロッキー・スリーシスターズ山]を撮影し、入浴を済ませてしまう。
部屋にてスーツケースを開けたら、中の荷物がぐしゃぐしゃになっている。(航空会社が『スーツケースの中を開けて調べました』という用紙が2枚も入っていた)
海外旅行には欠かせない重宝で万能の[スイス・アーミー・ナイフ]を入れておいたので、入念にチェックされてしまったのである。
オプショナルは[フェアモント・バンフ・スプリングス《ボウ川とスプレイ川分岐する深い森の中にたたずむヨーロッパの古城を思わせる豪華なホテル。山の斜面に荘厳な風格で建つホテルは、当時の太平洋鉄道の建設責任者ウイリアム・ホーンの夢を乗せて1888年にオープンした。当初は木造建設で250のベッドだったが現在は石の外壁となり800あまりの客室とモダンな設備を誇っている。内部は迷路のように入り組んでいて、フェアモント系列となった今でもカナダを代表するホテルである。泊まった人の話では、当時の部屋を改装しているためかなり狭いそうである》]での[アルバータ牛]をメインにしたディナーと、[マウントノーケイ]からライトアップされたホテルを見学するだけのもの。(8,000円)

食堂はかなり広くて奥行きがある。(数百人が一遍に食事ができる。)
メインディッシュのアルバータ(カナダ西部、ロッキー山脈東麓の州)牛のステーキはでっかいのは良いのだが堅いし、大味であまり美味しくはなかった。(半分も食べられなかった)
ホテル内を歩いてみたが、1階には沢山の商店が並んでいて、興味につられて奥深く迄見学していたら出口を見つけるのに苦労した。
食事の後バスに乗って見晴らしの良い「マウントノーケイ」に降りた。
直ぐにでも手の届きそうな満天の星、ほぼ満月に近い大きな月が綺麗だったし、「バンフ・スプリングス」がライトアップされ、森の中に小さな街がこぢんまりと浮き上がって見えた。

むろん写真撮影を試みた。帰国後フイルムを現像してみて歯がみしたのは、ASA400の高感度フイルムが、何度も空港のX線を通したので被って(感光)しまったのである。(初日に撮影したナイアガラの夜景もやはり感光していたが、かろうじて助かった。ノートルダム寺院は偏光を承知で撮影したが案の定ひどい写真だった)