秋のカナダ“三彩めぐり”8日間

2004年9月23日(木曜日)~30日(木曜日)

誕生日がらみで6月に[エジプト]の遺跡をどっぷりと堪能してきた。
 〈再雇用(嘱託)〉の身であっても、10日間も職場を留守にすると気が引けるものである。だから帰国後は自重した。
 7月・8月・9月は職場のスタッフが夏期休暇を取るので、皆さんが家庭サービス等で職場を休む際、ピンチヒッターで泊まり勤務を引き受けた。私はいみじくもその間は皆勤をして応えている。
 東京都交通局は有り難い所で〈再雇用〉の私にも夏期休暇を3日間取らせてくれる。労働組合の指導もあって、この権利は消化しなくてはいけないとされている。
 夏期休暇は9月一杯が期限なので、真夏の暑さも和らぎ、旅行シーズンも小康状態になる9月下旬にまとめて取らせて頂くことに決めている。
 さて何処へ出掛けたら良かろうか? なるべくなら今まで訪れたことのない新天地(国)を目指したいものだと考える。
 
 私の妻の妹の息子(名前は 福地 浩)が、勤めていた職場をすっぱり辞めて、カナダで過ごしたいと飛んでいってしまった。
 35歳ぐらいになるのに、未だ独身だから気楽なもので、一切合切かなぐり捨てて、退職金が続く限りの期限をアルバイトなんかで引っ張って、スキーや旅行を中心に遊び回るのだ云う。
 それなら私も浩の案内で、[カナディアンロッキー]をレンタカーを借りてノンビリ旅行でもするか? そんな気になったものである。
 早速 浩の親元にカナダでの携帯電話番号をお聞きし、ブリティッシュ・コロンビア州・バンクーバー(時差17時間・サマータイム中16時間)へ連絡を入れた。
 連絡さえ付けば細かい事はE-mailで遣り取り出来るから、高い電話代を払わないでも確実に交信が可能だ。
 自由気儘な生活をするにしても、少しは稼がなくては長期滞在は難しい。浩のアルバイトの都合を聞くと、9月24日からなら何日でも大丈夫だという返事が返ってきた。
 いざ遊びとなると私の行動は素早い。即刻いつも窓口にしている[JTB都庁内支店]へ電話を入れて、24日出発のバンクーバー行きの格安チケットを申し込んだ。
 驚いた事に24日出発のエアカナダ直行便のお値段が148,000円だと言うのである。
 この時期カナダは紅・黄葉の真っ盛りで、観光客がどっと押し寄せてくるかき入れ時(日本のゴールデンウイークに匹敵する)である。
 シーズンオフなら40,000円で往復出来るのに恐れ入った値段である。
 7月上旬に申し込んだのに、24日は売り切れキャンセル待ちだという。ならば、確実に取れる日を調べて貰うと23日が取れた。(この日まで139,000円 ラッキーだった)
 チケットが取れた旨をE-mailで送信した。すると直ぐ返事が来て、
 「どうしても23日は休めない」と言うのである。
 「私なら心配ない。23日にカナダに入り、空港近くのホテルでも取って、ぶらぶらしてるから」とまあこんな遣り取りをしているのを脇から妻が覗き込み、
 「浩君だって仕事を持っているのだから貴方の都合に合わせて、そんなに簡単に休める訳がないでしょう? 無理を言っては可哀相よ。紅葉のカナダなら私も行きたいわ。ナイアガラも見たいし、何処かのツアーに申し込みましょうよ。10日間も浩君の運転じゃ心配だし・・・・・」てな事になってきた。
 妻は値段が高くちょっと贅沢でも安心出来るツアーが良いという。誕生日は9月22日なので、この旅行も誕生日がらみで売り出している商品を選ぶ事にした。
 JTBで売り出している商品で、妻が見たいという[ナイアガラの滝・メープル街道の紅葉・カネディアンロッキー]が全て組み込んである8日間の358,000円・9月21日出発というのを申し込んだ。
 1ヶ月も経ってこのツアーに何人集まったかを問い合わせてみた所、
 「申込者は私たち2人だけなので、キャンセルになりました。前後の出発日では如何でしょうか?」との返事だった。
 お値段が高いので敬遠されちゃったのでしょう。そんな時にタイミング良く、またトラピックス(阪急交通社)15周年記念特別企画[秋のカナダ“美しき三彩めぐり”8日間]249,800円のパンフレットが送られてきた。
 電話をすると、
 「9月22日出発はもう満員で締め切りましたが、23日は催行決定でまだ受け付けております」と言うので、妻の誕生日からは外れるけれど、私の夏休み消化にぎりぎりの日程なのですんなり申し込んだ。
 カナダの甥 浩君には
 「妻がカナダへ行きたいと言い出したので、ツアーを申し込む事にしました悪しからず」とのE-mailを送信し、了解を得た。
  
 1週間前に旅行日程表が送られてきた。申し込む時に使用する航空会社名や経由地を調べず自分の都合の良い日を優先して選んでしまったから、日程表を受け取って、『え!』と思ったものである。
 カナダ旅行なのに利用する航空会社がノースウエスト航空なのである。
 直行便でカナダ入りをするなら、入国カード(税関申告書)一枚のみで良いのに、アメリカを経由してカナダに入るから、アメリカの出入国カード・税関申告書も書かなくてはならない。
 あまつさえ、カナダ国内を移動する際にも、帰国に日本入りするのにもノースウエスト航空を使うので(乗り継ぎにアメリカ国内を経由するため)、米国の出入国カード・税関申告書を6枚(3枚×2名)も作成しなくてはならないのである。
 これらのカードを旅行代理店に依頼すると一人に付き4,200円も取られる。(ガイドブックを買ってきて調べれば2,000円以下で済むからいつも機内で用紙を貰って自分で書き込む事にしている)
 アメリカ経由となると手荷物チェックが厳重だから、他の国へ行くのとは違った荷造りとなる。
 ① スーツケースに鍵をかけてはいけない。(ベルトでしっかり締め付ける)
 ② 電気製品は電池を新しいものにしておく。(作動しないカメラやバッテリー切れの電子機器・携帯電話等は時限装置危険物と見なされ没収されてしまう) ③ ナイフや鋏のたぐい(爪切り・髭剃り・裁縫セット・小さな鋏も含まれる)は航空会社に預ける荷物に入れる。
 等々を航空会社が何時でも検閲出来るようにしておかなければならないのだ。