2月19日(水曜日)・第一日目
フライトは午後14時55分である。集合は12時55分・成田第二ターミナルビル[I(団体)]カウンター前とした。
3家族で一緒に行きましょうと言うことになり、春日部駅9時56分発・準急浅草行の最後部車両で合流。
皆さんそれぞれスーツケースは宅急便預けだから身軽であるが、[ほりごめ駅]の福地さんは家を8時過ぎに出てきている。
空港には丁度12時頃の到着。先ずスーツケースを請け出して、I団体カウンターにて航空券を受け取る。
このツアーは添乗員が付かないツアーなので、自分達で搭乗手続きをしなくてはならない。海外旅行初体験の福地・小泉さんには何がどうなる事やら? 不安が同居して落ち着かない。
慣れない手つきでスーツケースを転がしながら、6人が列をなして移動する。
航空券を受け取ったり、搭乗手続きをしたり、入国審査の時など、その都度[パスポート]全旅程の[搭乗券]を提示しなければならないのに、空港内のスリ・かっぱらいを警戒する余り(予備知識過剰?)しっかり[特製腹巻き]の中にしまい込んでしまうので、それらを取り出すのに時間が掛かること、行列の流れを止めてしまう。私のように慣れすぎて警戒心がない者にとって、これは善い警鐘になった。
余裕を持って空港に来ているので、レストランにて軽い食事を取った。(緊張をほぐす意味で、生ビールで乾杯)
出国審査前の持ち物検査では、小泉さんや福地さんが何回も何回もブザーが鳴ってしまう。身体中の衣類に金属片があって、ポケットをひっくり返すやら、特製腹巻きまで取り外させられるやら、金属探知器を当てられるやらで、初めての出国審査だけで神経を使い果たしてしまいそうだった。
パスポートに出国スタンプを押して貰えば、中国入国まで全旅程の搭乗券やパスポートは必要ありませんと説明すると、懐の奥深くにしまっていた。
出国審査を終え、女性軍はお目当ての[免税店]へ。
「北京空港より成田の方が品数が多いから、化粧品や香水なら此処で買っておいた方がいいですよ」そう話したものだから、何はともあれ店の中に入ってゆく。
旅行中ホテルで飲む[オールド・パー1000ml]を小泉さんが買う。
何事も初めてなので、足が地に着かない。私の後にくっついて、2階のサテライト行きシャトルに乗り、動く歩道に幾つか乗って、《C84》搭乗口に辿り着いた。
飛行機は[CA(中国国際航空公司)926便]国際線初搭乗の両御夫妻を窓側にした。この日は曇天だったが、厚い雲の上から綺麗に雪化粧した[富士山]が顔を出していた。午後のフライトで富士山にお目に懸かれるなんてラッキーなことで、滅多にこういう事はない。
成田から北京までは約5時間30分の飛行である。私は手荷物の中にスリッパを入れてきている。このスリッパは数年前に旅行したときの[五つ星ホテル]での使い捨て品である。しっかりした物なので、飛行中はこれに履き替えてリラックスしている。
皆さんにも足が楽ですよと話してあるので、皆さんもそれぞれ持参してきていた。
ほぼ定刻通り午後6時10分(日本時間7時10分・時差1時間)《北京国際空港》に着いた。
[入出国カード]は私の取り置きが人数分あったので、本人のサインを書くだけにして渡してある。
入国審査のゲートは沢山あるが、入国客でごった返していた。行列待ちの時間は掛かったが、何の問題もなく関門を通過して、1階の[荷物受取所]へむかった。
便名を確認し、荷物専用の動くベルトコンベアから自分のスーツケースを引き下ろした。普通の[パックツアー]だと添乗員がやってくれるのだが、全部自分達でやらなくてはならない。
人の流れに沿って出口を出ると、JTBの現地スタッフが旗をかざして我々を呼び止めてくれる。(スーツケースに取り付けた名札で判断しているのだ)
15人。人数を確認してからバスへ向かう。ここでもスーツケースは各自でバスまで運ばなければならない。
日本から添乗員が同行するツアーだと、スーツケースなどはポーターがバスまで運んでくれるだが、この調子だと国内線の乗り継ぎの際も、自力で荷物運搬を覚悟しなければならないと思った。
小泉さん・福地さんが今後個人で旅行をするとき、〈旅行とはこうなのだ〉と覚えておけば役に立つ?
空港からHOTEL NEW OTANI(長富宮飯店・五つ星)までは約40分である。天安門広場のすぐ近くだった。
部屋割りが済み各部屋に分散すると、カード式の[部屋キー]でドアの開け方の実習である。このカードを電源スイッチに差し込まないと電気が点かないからと、他のツアー参加者にも説明した。
ポーターがスーツケースを運んできたので、チップを10元(日本円150円)渡した。パックツアーだと、添乗員がまとめてチップを払うから、我々はまくら銭を置くだけで善いのだが、中国でも五つ星ホテルでのチップは世の常なので、仕方なし?
(アメリカでさえポーターへのチップは1$〈120円〉なのだから、区切れのいい10元は中国人にとってはありがたい額である)
私の気配りとしては先ず妻に風呂へ入って貰う。その間にビールを買いに出かけるのである。ホテルの売店で、アサヒビール(350ml缶)が20元。それは高すぎると思い店員に町のスーパーを聞くと10分ほど北の方だと教えてくれた。
取り敢えず出てみると、大通りからちょっと引っ込んだ所にごちゃごちゃした食品店があった。其処では同じアサヒビールが10元だった。
4缶ほど買って部屋に戻った。冷蔵庫には冷えたアサヒビールが入っていたので、風呂上がりに冷えたやつから戴いた。